良性発作性頭位めまい症
良性発作性頭位めまい症
良性発作性頭位めまい症の患者様を治療させていただく機会がありました。
めまいはまず、その原因を突き止め、治療することで、解消されます。耳鼻科や神経内科などの専門病院で、検査をするのが良いのですが、今回は脳神経外科でのMRI、耳鼻科での耳石検査、内科でその他の疾病が除外された段階でご来院されました。
しかし、専門医によるあらゆる検査で「異常はない」と診断されたにもかかわらず、なお依然としてめまいに悩み続ける患者さんがいらっしゃいます。
良性発作性頭位めまい症とは、前庭器官の耳石器にある耳石がなんらかの原因で耳石器からはがれ三半器官の中にはいることで起こると考えられています。
定型的な症状として朝起きるときなどに、頭を動かしたり、頭を特定の位置に動かしたりするとめまいが起こります。
今回の患者様も 『朝が一番つらくてだんだん良くなることを繰り返している』とのお話でした。西洋医学の治療は、医師の指導のもとで頭や体を動かし、耳石を元の位置に戻すことが行われます。西洋医学的治療では、残念ながらすっきりとめまいが治らない場合があります。
肩こりによる血液循環の悪さや首の筋肉や靱帯に伴うめまい、あるいは自律神経のアンバランスによって起こるめまいなど、原因によっては鍼灸の治療のほうが効果的なことも多いのです。
しかし、まずはめまいを発症させる日常生活を見直す必要があります。規則正しい食事、お酒・コーヒー・タバコは控えめに。実際はこの機会に禁煙をおすすめします。睡眠不足によってもめまいが起こりやすくなります。生活のリズムを整えることでめまいを防ぐことができます。ストレスをためないで適度な運動の継続も大切です。
では鍼灸ではどんな治療をするのかですが、
東洋医学では耳は腎(腎臓そのものではなく、腎臓が担っている働きなど、広い範囲を示す概念)が司っていると考えます。
そこで、腎の経絡を整えます。また、めまいそのものの原因となったり、悪化の原因である自律神経の調整に鍼灸はとても役立ちます。
自律神経は交感神経と副交感神経によって成り立ちますが、鍼灸治療によって副交感神経が優位になることが知られています。
副交感神経は身体をリラックスさせる作用を担っています。過剰な心配やストレスで交感神経ばかりが興奮している状態を、副交感神経優位にすることによって鎮静させ、緊張を解きほぐしていきます。
また、緊張や疲れからくる肩こり、首の周りの筋肉を鍼によってゆるめることができます。硬い筋肉によって阻まれていた血行を改善し、脳に充分な血流が届くようになります。これにより、めまいが改善されるのです。
鍼灸治療の場合、問題のある局所だけでなく、全身のバランスをみながら治療いたしますので、めまいの治療といっても鍼やお灸をする場所は全身に及びます。
あきらめず通院されることをお勧めいたします。
横浜南はり灸院
横浜市南区宮元町3-53-101
ご予約 045-721-2455
鍼灸師 原口 博