昆虫が人類を救う!?
昆虫が人類を救う!?
世界では今、人口過剰による食糧問題が深刻化しています。2056年には100億人を突破すると言われています。
増え続ける人間に対し今までの食糧生産方法では限界があります。魚や動物から摂取する必要のあるタンパク質は資源に限りがあることから増え続ける人類すべてに行きわたらせることは難しいとされています。
そこで世界的に注目されているのが『昆虫食』です。昆虫食が見直されるきっかけとなったのは2013年に国連食糧農業機関が国連に提出した報告書がきっかけと言われています。
昆虫食が世界を救うと言われても、今晩の夕食に昆虫が出てきたらちょっと引きますよね。そこでその第一歩として「間接的昆虫食」という提案がされています。人間が直接昆虫を食べるのではなく、家畜の飼料として昆虫を使うことで現在の飼料のための大量のたんぱく質消費を代替させるという方法です。牛や豚の飼育には飼料確保のための森林伐採という実害や、人間が食べられるたんぱく質を大量消費しているという非難があります。環境破壊を防ぎ無駄な資源消費を減少させるという一石二鳥の効果があります。
実は東洋医学・漢方薬の材料としても古くから昆虫が使われています。『動物性生薬』と言われるものです。漢方薬の原料といえば植物のイメージがある方も多いのですが、漢方薬では動物も虫も薬の原料として使われているのです。
漢方薬の原料となる昆虫には『アリ』『蝉の脱け殻』『冬虫夏草』などが有名です。びっくりするのは薬用に無菌で飼育されたゴキブリの仲間まで材料となります。アリやセミにはがんのリスクを下げる『抗酸化物質』が多く含まれるそうです。昆虫には、果物や野菜よりも多くの抗酸化物質が含まれていることが判明しています。
以前から昆虫食はタンパク質やミネラル、ビタミンといった面で優れた栄養源として知られていましたが、虫の姿のままで食べるのは抵抗がある人も多いと思います。ですが、漢方薬も進化していて動物性生薬が飲みやすいゼリー状になっていたり、アリが錠剤になった漢方薬があったりするのです。
昆虫食は、人類の飢餓を救う!というのは現実のものになりつつあります。『間接的昆虫食』でしたら虫が苦手な私でも参加出来そうです。
横浜南はり灸院 横浜市南区宮元町3-53-101
原口 博