ツボの不思議、鍼灸の摩訶不思議
ツボの不思議、鍼灸の摩訶不思議
鍼灸の治療にはツボの存在が欠かせません。しかし今回はその話をいわゆる気や血といった古典的な鍼灸理論とは少し離れて考えてみたいと思います。
内臓の不調が身体の表面に現れる。
内臓に異常があるといつもとは違った信号が中枢である脊柱の中の脊髄に
入ってゆきます。そして、この中枢のそれぞれの脊髄と同じレベルにある皮膚の知覚神経が過敏な状態に変化して、通常なら痛みとならない弱い刺激にも敏感になり異常な感覚を引き起こします。それが痛みだったりシビレの持続だったりします。また内臓の異常な状態が神経的につながりのある身体の表面に近い筋肉に点状、線状、あるいはかたまり状の緊張状態を引き起こすことがあり、いわゆるコリを作り出します。さらに内臓の変化が自律神経系に影響を与え、発汗、鳥肌、皮膚の冷え、ほてりなどの症状を起こします。これらは「内臓体表反射」と呼ばれ身体の内部の状態の変化が、体表つまり皮膚の表面に何らかの症状として確認されるというものです。
ツボ=体表への鍼灸の刺激が内臓を治す
逆に身体の表面の体表にあるツボに刺激を与えて、体の内部に影響を及ぼして治療に結びつけるというのが鍼灸の考え方になります。これを「体表内臓反射」といいます。身体のある部分に刺激を与えることでいろいろな内臓に反射を起こし毛細血管、ホルモン分泌などの状態が変化していくことは科学的にも確かめられています。
ではどこに刺激とすると効くのか
はじめに古典的な解説ではないとお断りしましたが、この体表内臓反射の理論をもとにツボが説明されていますが、その先のどこにツボを選択するかが実は最も難しく、やはり古典的な経絡によるツボの選定が今でも支持されていると思われます。また鍼灸の歴史は私はビッグデータの蓄積と思っていますので、古典的な特効穴など数千年の膨大な臨床に基ずく先人の治療法は重い意味があると思います。
横浜南はり灸院
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